
軽トラックはご存じのように軽自動車にあたるトラックを指しています。
日本独自規格の軽トラックの大きさは、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、高さ2m以下、最大積載量350kg、エンジン排気量0.66L以下になっていますが、軽量小型でありながらもパワフルに日本の農業から運送業まで幅広く活躍して日本経済発展の基礎を築き上げた使い勝手良いトラックです。
それなりのパワーで経済性に優れた軽トラックがアメリカを中心に海外で人気の的になりつつあります。
今回のお話しは、日本人男性がメキシコ内の農園に婿養子となり、日本製の軽トラックが活躍したお話です。
ところで、その彼は都内でIT企業で働く30歳、大学時代の友人がメキシコ内の日系自動車企業で働いていた関係からメキシコを旅行することになりました。
当初は旅行のみのつもりであった彼は、メキシコの魅力にはまって、メキシコに農業永住することなったそうです。
幸いにもメキシコ人女性との出会いから、婿養子になった彼は、日本製の軽トラックを上手く使いこなし、生産をアップさせたとか。
日本で働いていた頃の彼は、ただ仕事のみに追われ、全く刺激のない生活に飽き飽きしていました。そんな彼の唯一の楽しみと言えば、深夜にネットラジオから流れるラテンミュージック…
一度は海外で働いてみたい、あの広い海外の世界ならば、きっと、今の俺の心を満たしくれるに違いないと考えて
あのうるさい上司の顔は、この陽気なラテンミュージックに消えるほど、彼の心はラテンにあったそうです。
そんな時に、メキシコで働く大学時代の友人からメールが一通届きました。
大学スペイン学科在籍中からラテン研究会の同期で親友である彼のメールには、ラテンアメリカの魅力が述べられ、日本とは全く異なる文化で自由に生きられる陽気なイメージのメキシコに心は惹れ、迷うことなくメキシコ旅行を決めたとか。
3週間の予定が3カ月、6カ月という長期滞在になってしまい、当然ながら日本の会社はクビになりましたが、ここメキシコで生きる希望を持つことができたのです。
運命的な出会いもあり、大規模なトウモロコシ栽培農家に婿養子になっていました。
幸いスペイン語は堪能で通訳業務も楽にこなせるほどの語学力があったことと、彼の実家が農家で幼い頃から多少の経験もあったことが一大決心につながったようです。
婿養子になってしまった彼は結婚後すぐ農作業をすることになりました。大規模農家で使用人がいてもメキシコ人気質から、ちょっと目を離せば働かないからだそうです。
それに、いくつの農園の中で狭い谷間があり、ライトトラックとは言え行動範囲が制限されて、なかなか難しいところがあったようです
そんな時に、朗報と言えるメキシコ行きを勧めてくれた日系自動車企業で働く友人の一言が、このトウモロコシ農家の救世主になりました。
今、アメリカ社会では日本製中古の軽トラックが人気で話題になっているとか。
まだ海外生活の短い彼には知るよしもありませんでしたが、日本では我が家を含めて軽トラックは農家にとって必需品と言えるほど重要性の高さは知っていました。
日本の狭いあぜ道を荷台に農産物を積載しつつ、パワフルに走る機動性は素晴らしいと…。
特に、収穫時には、畑の奥深くまで軽トラが入ることができ、あの頃はまだ幼いながらも荷台に乗って手伝ったのを思い出したのだそうです。
その日本の軽トラックがあれば、あの谷間に広がる農園にも便利に使用できると感じた彼は、再び友人に問い合わせてみました。
ここ数年でメキシコには、トヨタ、ホンダ、マツダ、スズキ、日産など自動車メーカーが、アメリカへの輸出拠点の好立地として進出していることを聞いていたので、日本製の軽トラックが手に入ると考えていたようです。
しかし、トラックと言ってもライトトラックと呼ばれる排気量1.5Lクラスで、日本の0.66Lの軽トラックは製造されてはいないとのことで、メキシコでは難しいかもしれないという答えが返ってきました。
それならば、アメリカの中古市場なら可能ということで、さっそく彼から聞いた中古車店に問い合わせてみることにしました。
そして、中古車店側から詳細なお話を伺いました。
~アメリカの日本製軽トラック事情~
日本独自規格で設計された軽自動車は今年で71年を迎え、その間には排気量が0.36Lから0.55Lそして0.66Lと変化し規格もそれなりに変化しつつパワーも乗り心地も向上しています。
発売当初はスクーターにキャビンがついた原始的なものが、今ではスモールサイズながらも3~4気筒DOHCターボや環境重視のハイブリッド仕様まであります。
軽自動車ながら軽トラックの存在はその価値の大きさに海外では、特に、アメリカで驚きの的となりつつあるとのことでした。
日本の軽自動車メーカーは1960年代に販路をアメリカに求め、3輪のミゼット、サンバーなどの軽トラック対米仕様が存在していた時期がありました。
当時は、農耕用に、構内作業車などとして使用し、保安基準に適合するような場当たり的改造で流通させつつあったようです。
広いアメリカ公道にはあまりにもパワー不足のためにほとんど売れない状態が続きました。売れてもマニアの間でもてはやされるくらいでした。
そして、1968年の法改正により、スモールサイズというコンパクトでありながらも販売が禁止になりました。
その理由に、
1.衝突安全性に問題があり、日本よりも速度域の高いシーンでの使用する海外ではクリアできないこと。
2.軽自動車という規格に問題があリ、
狭い日本での庶民の足といった軽自動車のコンセプトは、独自規格で海外ではクリアできないこと。
3.海外でのメリットはないという問題があり、海外の必要性域に入らない、むしろ中途半端なクルマとしか考えられないこと。
4.排ガス規制にも問題があること。
などなどの理由から日本が誇るガラパゴス規格の自動車は、当然ながら海外には受け入れなれないことになりました。
この考え方が軽トラックを受け入れない原因になってしまったようです。
しかし、時代の流れる中でCo2の排出による地球温暖化や経済の低迷等の諸問題により環境や経済性の観点から
かつてのピックアップトラックのユーザーが大多数を占めたトラック王国アメリカに変化が顕著になったとか。
不経済性に非効率を反省し、UTVがそれに変わりつつも、日本の軽トラックははるかに安価に購入でき、スモールサイズという全幅1.4m以下で山奥の林道や農園のあぜ道をパワフルに走行可能な日本製の軽トラックが再び見直されたそうです。

アメリカの農業に新しい新風を吹かせるほどの人気沸騰に!
しかもアメリカには安心基準に問題がありながらも、中古車を輸入する25年ルールがあるために可能になっています。
製造から25年経過の車はクラシックカーとして見直されるために、使用可能になったのです。25年ルールが認められたことで、ようやく正式に登録ができるようになり、アメリカでの日本製の軽トラック人気に火がついたとか。
古いとは言え、日本では車検制度があるおかげで25年経過の車でもメンテナンスがしっかりなされている点も人気の秘密と言えます。
ほとんど故障知らずもまた人気の理由から価格面でも値上げ傾向にあります。
例えば、1994年式を日本相場で20万円の中古軽トラックがアメリカでは8000ドル(約88万円)に跳ね上がるほどの人気があるとか。
以上がアメリカでの日本製の軽トラックの人気の理由になります。
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<日本製の中古軽トラック購入>
その日本製の軽トラックの人気の秘密を聞いた彼は、幸運にもダイハツ ハイゼットを3台購入することができたそうです。これは、婿養子になった彼のお陰で、この農園には思わぬ幸運が舞いこんだことになります。
故障知らずの中古軽トラックが谷間の奥深くまでスイスイとパワフルに移動可能になり収穫の手間も軽減されたとか。
このメキシコでの運命的な出会いが愛する彼女の農園をさらに発展させた日本製の軽トラックの活躍ぶりに皆さんはどうお考えでしょうか?
最後に、日本の軽トラックの活躍ぶりは大きいながらも、軽トラックの生産打ち切りが広がりつつありますところに寂しさを感じます。
日本には農業後継者が消えつつあるからなのでしょうか?
いずれは食糧難の時代が、その日は近いのかも?